【重要】経産省が小規模事業者政策を転換!「持続化」を土台に「成長志向」支援に注力!(1億宣言)

持続化補助金

本日は遅ればせながら、来年度からの新しい小規模事業者政策について私見を交えながら解説してみます。少し長くなりますが、今後非常に重要になってくる政策かと思いますので、是非ご一読ください。

1)来年度からの新しい小規模事業者政策、その概要

恥ずかしながら最近ようやく知ったのですが、2026年5月に経産省は「小規模事業者の『稼ぐ力』の強化に向けた諸課題に関する検討会の中間とりまとめ」を公表しています。来年度より政府は小規模事業者政策を転換すると言えるかと思います。

①経産省HP公表記事:「小規模事業者の『稼ぐ力』の強化に向けた諸課題に関する検討会」の中間とりまとめを公表します(METI/経済産業省)

②検討会の中間とりまとめ概要資料:900019003.pdf

③中小企業庁HPの10月7日付最新資料:002.pdf

今までの小規模事業者支援方針については、2014年前後に「持続的発展」が強く打ち出され、「規模を大きくすることだけが政策目標ではない」、「小さくても地域に必要な存在として事業を続けること自体に価値がある」というものでした。今回の中間とりまとめ資料を読むと、今後の小規模事業者政策を、①成長志向の小規模事業者、②持続的発展・賃上げを目指す事業者、③地域のエッセンシャルサービスを担う事業者というように、かなり明確に分けて考えています。「持続的発展」は維持しつつも「事業者をタイプ別に分けて支援する」政策への転換と言えるでしょう。(個人的に大きな転換点だと考えます)その背景としては、近年の物価上昇、人手不足、最低賃金・賃金水準の上昇、経営者の高齢化などによって、「持続的発展」だけでは経営の現実に合わなくなったことが大きいかと。下スライドは、上記の概要資料からの抜粋ですが、この政策転換を上手くシンプルに説明しています。当件にご関心のある方は、是非上記の②概要資料(6ページ)に目を通してください。

2)小規模事業者政策転換のキーである「成長志向の小規模事業者支援」、及び「成長志向の経営計画書(いわゆる一億宣言)」について

上記スライドに「成長志向の小規模事業者を創出するメカニズムの構築」について簡単に書いてありますが、これを推進するための重要なツールとして「成長志向の経営計画書(一億宣言)」を位置付けているようです。資料には以下の記述あります。

「拡大成長を目指すためには、より深い自社・市場分析と打ち手の考察が必要であり、経営者と経営指導員の双方にとって強い動機付けとなる仕組みが必要であるため、一定の成長目標を設定した上で、それに到達する成長シナリオを描く「経営計画」について、特に「成長志向の経営計画(一億宣言)」と位置づけ、同計画を“宣言”(登録・公表)できる仕組みを構築する。」

(注)昨年、政府は規模の大きい中小企業を対象に「100億宣言」という制度・ポータルを立ち上げました。(100億企業成長ポータル)来年の小規模事業者対象の「成長志向の経営計画(1億宣言)」においても同じような制度・ポータルを新設するのではないかと予想します。

先日の配信でも「成長志向の経営計画書」に触れ、その内容は不明であると書いてしまいましたが、経産省HPにある「とりまとめ資料(本文)」(>>900019004.pdf)、及び10月7日付中小企業庁最新資料(002.pdf)にその概要が載っていました。以下、そのサマリーです。

ⅰ)成長志向の意欲のある小規模事業者を対象に、商工会・商工会議所等の支援を受け事業者が「成長志向の経営計画書」を作成・宣言する。その後、計画の進捗を商工会・商工会議者がモニタリング・伴走支援する。(宣言後5年間)

ⅱ)経営計画の目標水準は、原則売上高1億円。飲食業など業種によっては売上5000万円。売上ではなく収益を目標にすることも可能。収益の具体的な目標は検討中。

ⅲ)単なる販路開拓計画ではなく、「成長目標、経営理念、経営者自身の収入目標、原価・利益、資金繰り、市場分析、適正な売価設定、マーケティング、設備投資、資金調達、人材確保・育成、デジタル化、業務効率化、知財、ブランディング」などまで扱うことが想定されている。(これだけ見ると、規模の大きい中小企業に求められるようなハードルの高い経営計画になりそうですね)また、③の最新資料では計画の内容について下スライドのとおり規定しています。特筆すべきは、ハードルの高い経営計画を考慮し「経営者の基本的な経営リテラシーの具備」を要件に入れていることです。この点の脚注として「計画策定時点で備えておくべき経営リテラシーの水準その他の要件の具体的内容については今後、詳細に検討。入口要件として設定することが難しい要件については、事業実施期間中の達成(出口要件)も容認」となっています。小規模事業者なら誰でも”宣言”できるというわけでないです。

ⅳ)「成長志向の経営計画書」は非公表であるが、その簡易版(経営者のメッセージ・決意、成長目標、成長シナリオなど)が来年新設されるポータルに公表される。参考情報としてポータルで公表されている100億円宣言事業者の簡易版(事例)を一番後ろに貼り付けました。

ⅴ:”宣言”事業者への優先措置として;①持続化補助金による重点的な支援(「成長志向枠」の創設)②(持続化補助金だけでなく)小規模事業者が活用可能な補助金において、”宣言”事業者に対する優先措置、②マル経融資の優先適用などが現在検討されている。

以下、中小企業庁の最新資料(002.pdf)からの抜粋ですが、上記の概要説明を上手く1枚にまとめています。

以上、「成長志向の経営計画書(1億宣言)」の概要になりますが、大枠が提示されているだけであり、当計画書・宣言の内容、及び制度詳設計は来年公表されるかと思います。最後におこがましいです、当件に関する私見を述べてみます。

【私見】

「成長志向の経営計画(1億宣言)」という制度導入について、個人的に大賛成です!現状維持のためには「勘と経験の経営」で良かったかもしれませんが、現在の経営環境、そして成長志向という方針を考えると、成長の道筋(計画を)をしっかり紙に落とす必要があります。また、この経営計画書が求めている様々な項目を網羅し「経営の見える化」「経営管理能力の向上」を図っていくことも重要です。

当計画書作成のハードルは高そうですので、スタート時点では「かなりの時間と労力を費やして中長期の経営計画策定にチャレンジ」しようとする小規模事業はかなり限定されると予想しまが、それで良いと考えます。商工会・商工会議所のマンパワーも考慮し、スタート時はしかっりと事業者の意欲・リテラシー等を見極めて少ない宣言事業者から始めた方が良いかと思います。つまり、小さく始め大きく育てる。徐々に成功体験を重ねながら長い目で宣言事業者を増やすことが大切でしょう。

とはいえ、補助金での優遇措置が検討されていることもあり、開始時から手を挙げる事業者が予想以上にいるかもしれません?注意すべきは、この計画書が補助金ありきの計画書として形骸化してしますことです。つまり、計画を作っただけで、その後ほとんど見直し・フォローアップを行わない。 これでは、この新しい政策の意味がない。これを避けるために、現在、事業者が宣言するために必要な要件・経営指導員の伴走支援などの制度設計を検討しているようですね。

以上、徐々にでも当制度が将来的に定着することを期待したいと思います。私は商工会・商工会議所を応援したい気持ちです。

【100億円宣言事業者の簡易版(事例)】

矢埜 幸男

矢埜 幸男

これまで幅広い分野で多くの和歌山県内事業者を支援してきました。特に、各種補助金の申請サポート、プレスリリース作成サポートにおいては、事業者のお役に立てると自信を持っております!

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矢埜 幸男

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成果を出して事業者と一緒に喜びたい! 管理部門から営業・マーケティングと幅広い実務経験・スキルあり! これを活かし経営全体のサポートを致します。 特にマーケティング、業務改革に強いです!

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