来年度(22年度)の事業再構築補助金に対する日本商工会議所の要望について

事業再構築補助金

日本商工会議所(日商)は、16日(金)「2022年度中小企業・地域活性化施策に関する意見・要望」を公表しました。 「コロナ禍の完全な収束が見通せず、地域経済を支え雇用を担っている中小企業・小規模事業者は、昨年来、未曾有の影響を受け続け厳しい経営状況にあります。経営者の心が折れずに今後も事業継続に希望を持つことができるよう、またビジネスモデルの転換に挑戦できるよう、より一層の支援策が必要です」と以下のHP公表記事にあります。

*日商HP;「2022年度中小企業・地域活性化施策に関する意見・要望」の公表について」                              >>https://www.jcci.or.jp/news/2021/0716141500.html

*2022 年度中小企業・地域活性化施策に関する意見・要望(本文)                                                >>https://www.jcci.or.jp/20210716yobo.pdf

上の要望書(本文)には多岐にわたる支援策・補助金等の要望が記載されておりますが、今回は特に皆様の関心が高い「事業再構築補助金」に関する要望を紹介したいと思います。

要望書(本文)12ページには「事業再構築補助金の拡充」として色々な要望の記述があります。(一番下に、この要望を記載しています。) ここで個人的に気になるのが、「継続」でなく「拡充」と書かれていることです。つまり、日商は、事業再構築補助金が2022年度も継続されることを前提にしていると(個人的に)読めます。

現段階では、来年3月まで残り3回(計5回)の公募締切があることは間違いありませんが、経産省は来年度4月以降に事業再構築補助金の公募があるか否か明言しておりません。

しかし、この補助金は単年度予算でなく、当初から「基金化」されています。(来年の3月公募が最終でも、補助金の支払いなどは2022年度になりますので、「基金化」は必要だったかとは思います。)

仮に来年3月まで予算額(1兆1000億円)が全額消化されなかった場合、余った予算額が持ち越され、且つ今年の補正予算で追加予算が計上されることで、公募が2022年度も継続される可能性は十分あるかと考えます。(期待していると言った方が良いでしょうが) 

日商の要望にも以下の記述があります。

「⑨審査において採択に値する評価点以上の申請は、割当予算額を制約とせず全件採択すべき。必要に応じて、予算を拡充すべき。」「⑧公募期間の通年化」

「必要に応じて、予算を拡充すべき」とは、(例年通りでいえば12月末に閣議決定される)補正予算の中に事業再構築補助金へ積み増し予算を計上すべきとのことでしょう。(1兆円は無理にしても、数千億円の上乗せは期待できるかもしれません)

ワクチン接種がかなり広まっているとはいえ、まだまだコロナの影響がどうなるのか不透明な中、個人的な意見として2022年度も事業再構築補助金を継続してもらいたいと考えます。

10月、11月ぐらいから始まる政府内の補正予算に関する議論に注視したいと思います!(現段階で補正予算があるか否かも断言はできないですが、リーマンショック以降、毎年補正予算の編成が常態化していますので)

参考として、以下、日商の要望書の中の「事業再構築補助金」に関する記述(全文)を掲載しておきます。                                                  
(注):要望は、あくまでも要望です。政府(経産省・中小企業庁)がどう判断するか、また別の話です。

1売上高構成比要件を緩和さ1売上高構成比要件を緩和されたい。
[新分野展開等]
・売上が大きい中小企業等は、新規事業で総売上高の 1/10 以上を達成するのは困難。
・新規事業が、低単価商品の場合、1/10 以上を達成するのは困難。
[事業転換等]
・事業転換等は、売上高構成比を最も高くする必要があり、未知の分野の事業の売上高構成比を最も高くすることは極めて困難。まさに「社運を掛ける」もので、失敗すると倒産の可能性が高い。
[グローバルV字回復枠]
・付加価値目標が未達成の場合、通常枠との差額返還を求められることになるが、未達成の理由を説明すれば免除していただきたい(通常採択との差が大きすぎる)。
②新規性要件の緩和
[市場の新規性要件(既存製品と新規製品の代替性)]
・新規性要件のハードルが高く、既に取り組んでる事業の売上を主力にしたい場合には使えず、申請を断念した(すでにテイクアウトに取り組んでいる飲食店が、イートインからテイクアウト中心の店舗に転換を考えていた)。
[製品等の新規性要件(製造等に用いる主要な設備を変更すること)]
・事業再構築指針に合致させるためには、設備導入等、当初計画していなかった費用が発生する可能性が高まる等、予算的に厳しくなったため断念
③売上減少要件(▲10%)を緩和されたい。
・コロナ禍においても売上を増加または維持している事業者は、売上減少要因があるため活用を断念するケースが多い。地域経済発展のためにも地域中核企業を育成する必要があるため同要件の見直しが必要
・補助対象要件の売上減少の期間が 2020 年 10 月以降となったことで、一番売上減少した月の 2020 年9月が対象外となったため、申請を断念
④事前着手承認制度の継続および対象拡大を実施されたい。
⑤コロナ禍で本来事業再構築すべき事業者への加点措置を実施されたい。
⑥小規模事業者枠など事業者規模に応じた枠の創設・要件設定・申請書の簡素化
⑦申請書の具体例の例示、事業再構築の定義の分かりやすい明示
⑧公募期間の通年化
⑨審査において採択に値する評価点以上の申請は、割当予算額を制約とせず全件採択択すべき。必要に応じて、予算を拡充すべき。
⑩不採択理由の開示について、不採択となった者が納得しうる理由を伝達すべき。

矢埜 幸男

矢埜 幸男

これまで幅広い分野で多くの和歌山県内事業者を支援してきました。特に、各種補助金の申請サポート、プレスリリース作成サポートにおいては、事業者のお役に立てると自信を持っております!

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矢埜 幸男

矢埜 幸男

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