【必見】実際に採択された【事業再構築補助金】の事業計画書が公表されました!(良くできた計画書です!)

事業再構築補助金

昨日、事業再構築補助金の特設サイトに、第1回公募で実際に採択された案件の事業計画書が公表されました。

*採択案件の事業計画書:【新分野展開】【宿泊業】【北海道】                                       >>https://jigyou-saikouchiku.go.jp/pdf/cases/01_jigyokeikaku_03.pdf

事務局が事例として1つだけ選んだものですので、事業計画書のベストプラクティス(最良の事例)かと思って読みましたが、確かに非常に良くできた計画書です!「深く考え抜いた事業計画(内容)」であり、「分かりやすい、そして説得力のある記述」かと思います。

今後申請される事業者には【必読】かと思います。是非、上URLにある事例を、今後の事業計画書作成の参考にしてください。

以下、当事業計画書についての個人的な意見・評価になります。(【事業計画内容】と【記述】に分けてます)

【事業計画の内容について】

1)本事業は、「ワーケーションに特化した宿泊施設の開業」という大変尖った事業計画です。ワーケーションは、近年確かによくメディアに取り上げられており、今後伸びていくのでしょうが、実際どこまで普及するか非常に不透明です。「ワーケーション」というのは簡単ですが、集客・事業化が大変難しい事業であり、「絵に描いた餅」になりがちなテーマかと個人的に思ってます。当方、実際に相談の中でワーケーションがテーマの事業計画書2件に目を通しましたが、「顧客ニーズが不明確」「集客方法・事業化面で説得力がない」という印象でした。

2)本事業ですが、「ワーケーション分野で先行している」と書いてある通り、「顧客ニーズ」をしっかり把握しているようであり(顧客を知っている)、大企業・地元中核企業との協議会、国のモデル事業、第一生命・帯広市の協力、東京圏での個別営業などで集客を図ることで「事業の実現性はかなり高い」と判断します。それでもリスクはあると思いますが、ここまで考えて具体的に準備しているのであれば、是非補助金も使ってチャレンジして欲しいと審査員も思うのではないでしょうか?

3)中小企業庁が重視している「顧客規模」「売上計画の算出根拠」は、多分別紙2で詳細に書いてあると推察します。ワーケーションは、一般的にまだまだ事業化・集客が大変難しいでしょうが、本事業の実現性はかなり高いと考えます。

4)ところで、ワーケーションに特化した宿泊施設、皆さまであれば、こんな未成熟な市場で、どう集客しますか?お客さんを獲得します?ちょっと考えてみてください!

5)私が相談を受けた事業者ですが、「SNS、HP、Web広告、広報などでの集客」だけで集客できると言っていましたが、本当にお客さん(ワーケーション顧客)が来るてくれるのか説得力はありません。ターゲット顧客はIT企業などの働き方に柔軟な企業が想定されますが、普通の宿泊業者にとっては全く新しい顧客です。そんな顧客へどのようにアプローチし、利用してもらえるか? その時の私のアドバイスとしては、まずは、現実的に「近場の大阪の一定以上の規模のIT企業のをリストアップし、営業を掛けてみてはどうでしょう?」としか言えませんでした。(恥ずかしい限りです)

6)この点、当事業計画は、以前からじっくり時間を掛けて検討し、集客に関し様々な仕掛け・工夫をしていますね。「思い付き」の計画でないことは明白でしょう。

【事業計画書の記述について】

1)分かりやすいストーリーで大変読みやすいと思います。あくまでも読みやすいストーリーの一例ではありますが、参考にはなるかと考えます。

2)SWOT分析が上手いですね!感心しました。この分析が、しっかりと「事業再構築の必要性」につながっているかと思います。また、同じように再構築要件に満たす説明も、図を使った上手く記述しています。(素晴らしい!)

3)多くの事業計画の一番のリスクは、「集客・顧客獲得」かと考えますが、「課題やリスクとその解決法」として1ページを費やし、正直にしっかりと記述しています。ここは説得力がありますね。(個人的に好きです)

4)私の経験から、記述の仕方に大手外資系コンサルタントの匂いはあまりしないのですが、非常に良くできた記述であることは確かです。当事業では、KPMGコンサルティングと連携していますが、この事業計画は創業者(経営者)が自ら全部書いたものであり、ひょっとしたらKPMGの出身ではないかと勘ぐってしまいます。

以下、大変おこがましい限りですが、事業計画書作成における私からのアドバイスになります。

*事業計画書の作成において、多くの方が「時間をじっくり掛けて、事業計画書をブラッシュアップしてください」と言います。記述(書き方)をブラッシュアップすることは当然ですが、一番大切なのは「事業計画の内容」を考え抜く(練り直す)ことかと思います。

  • 補助事業を成功させるため、実現性を高めるため、今の計画にあるやり方・進め方のままで良いのか?間違っていないか?他にやるべきことがあるのではないか?
  • リスクは他にないか? あるとすれば、そのリスクに対する対処・解決法は何か?

特に「マーケティング」、及び「体制・人材」を中心に「事業を成功させるためには何をすべきか?」考え抜くこと、そして、それを紙に落とす(記述する)ことが大切かと考えます。

矢埜 幸男

矢埜 幸男

これまで幅広い分野で多くの和歌山県内事業者を支援してきました。特に、各種補助金の申請サポート、プレスリリース作成サポートにおいては、事業者のお役に立てると自信を持っております!

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矢埜 幸男

矢埜 幸男

成果を出して事業者と一緒に喜びたい! 管理部門から営業・マーケティングと幅広い実務経験・スキルあり! これを活かし経営全体のサポートを致します。 特にマーケティング、業務改革に強いです!

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