しばらく記事の配信を休んでおりましたが、再開いたします!今後とも御贔屓のほどよろしくお願いいたします。
再開一発目の配信ですが、本年10月から適用される新しい最低賃金について書いてみます。 毎年10月から適用される最低賃金は、その年の7月に開催される厚労省の中央審議会で議論され、7月下旬には「上げ幅の目安」が決定さてます。この決定を受け、各都道府県の地方審議会が各自治体の最低賃金を最終決定するプロセスになっています。本年は今週11日に中央審議会の議論が開始される予定ですが、以下、10月からの新しい最低賃金額がどうなるか考察、予想してみました。
1)政府の賃上げに対する方針について
先月、政府は経済財政運営と改革の基本方針である「骨太の方針」を閣議決定しましたが、この中で「賃上げを起点とした成長型経済」「減税政策よりも賃上げ政策こそが成長戦略の要」としており、賃上げを最重要課題として位置付けています。また、最低賃金については、「最低賃金を着実に引き上げ、2020年代に全国平均1,500円という高い目標に向かってたゆまぬ努力を続ける」としています。ちなみに現在の最低賃金は1055円のため、これを実現には25~29年度の5回にわたる改定で、7~8%程度ずつ上げる必要があります。
「骨太の方針2025」>>2025_basicpolicies_ja.pdf
2)政府方針をベースにした今後の最低賃金額シミュレーション
政府の最低賃金に関する目標は「2029年までに全国平均1500円」というものであり、これを達成する為には毎年7~8%程度引き上げる必要があります。なるほど相当高い目標ですね。以下、5年後の2029年の全国平均最低賃金額が1500円程度になるようにシミュレートしてみました。あくまでも、ひとつの仮定としてご参考ください。

上記の全国平均の「引き上げ率」を使ってシミュレートしてみた場合の和歌山県の最低賃金は以下のとおりです。

3)10月からの最低賃金額の予想!
昨年の引上げ率の実績は、全国平均で5.1%、和歌山県では5.5%でした。本年の引上げ率は昨年以上となることは間違いありません。中央審議会で行われる労使間での議論は白熱することが予想されますが、個人的に本年の全国平均引上げ率は6~7%ぐらいかと予想します。(あくまでも個人的な予想ですので、その点ご留意ください)ただし、前述の「骨太の方針2025」には、「地域別最低賃金の最高額に対する最低額の比率を引き上げる等、地域間格差の是正を図る」とありますので、和歌山県の最低賃金引き上げ率は6~7.5%ぐらいかと予想します。

以上、個人的な予想ではありますが、和歌山県においては本年10月の最低賃金改定で初の1000円台に突入し、引き上げ幅も60円を超える可能性が高いかと考えます。パートさんを多く抱えている事業者等、最低賃金引き上げの影響が大きいところは、今から対応を考えるべきかと思います。また、支援策のひとつである「業務改善助成金」の活用もご検討ください。その活用については、以下の関連記事をご参考ください。
最低賃金大幅UP(+50円)への支援策である「業務改善助成金」の活用について! – YMO
来週以降、最低賃金に関する中央審議会での情報が入ってくるかと思いますので、適時最新情報を配信したいと思います。