大型経済対策の重点事項(案)が判明~主要補助金等の中小支援策ポイント解説~

事業再構築補助金

政府は4日、「新しい資本主義実現会議」を開き、10月末をめどに策定する総合経済対策の重点事項を取りまとめた。

*「新しい資本主義実現会議」資料:総合経済対策の重点事項(案)  https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/kaigi/dai10/shiryou2.pdf

上URL資料(6ページ)に大型経済対策における重点実施事項が記載されていますが、以下この中の中小事業者支援策に関するポイントをまとめてみます!

①中小企業の事業再構築補助金・生産性革命4補助金について、賃上げを条件とした補助金の抜本的拡充を図る。(1ページ目)

  • 生産性革命4補助金とは、ものづくり補助金・持続化補助金・IT導入補助金・事業承継引継ぎ補助金のことです。
  • 今回、政府は来年度(令和5年度)も事業再構築補助金・生産性革命4補助金を継続することをはっきりと明言したことになります。
  • 既にものづくり補助金では賃上げが申請要件になっておりますが、他の補助金においても「賃上げ」が申請要件・加点になる可能性が高いと思われます。
  • 「抜本的拡充」とありますが、どのような拡充なのか大変興味深いです。
  • 事業再構築補助金・生産性革命4補助金は単年度予算ではなく、既に基金化されています。故に、大型経済対策の財政面での裏付けである「第2次補正予算案」では相当額が予算計上され、現在の基金へ上積みされることになります。また、4補助金に関しては、3年前の補正予算同様、複数年分(3年分ぐらい)の予算が計上されるのではないかと予想します。

②個人のリスキリングに対する公的支援について、人への投資策を 5 年間で 1 兆円の施策パッケージに拡充する(2ページ目)

この点については、昨日の配信記事で書いております。資料にはポイントとして以下の記述があります。

  • 現在 3 年間で 4,000 億円規模で実施している人への投資強化策について、施策パッケージを 5 年間で 1 兆円へと抜本強化する。
  •  デジタル人材育成を強化し、現在 100 万人のところ 2026 年度までに 330 万人に拡大する。年末までに、デジタルスキル標準を策定し、見える化を図る。
  • 企業によるスキル向上のためのサバティカル休暇の導入を促進する。(*注)「サバティカル休暇」とは、一定の長期勤続者に対して与えられる長期休暇制度のことです。)

③賃金制度を改革し、新たに職務給の導入を行う中小企業について、助成を行う(1ページ目)

日本の中小事業者においては、「年功序列」「職能給」の賃金体系の会社が多いかと思います。「職務給」とは、担当する職務の内容や責任の度合いに応じて給与を支払う賃金制度ですが、新たに「職務給」を導入する事業者に対する厚労省助成金が新設されることになると考えます。

④GX 及び DX への投資、その他(5,6ページ目)

この資料には、新しい資本主義の実行計画の重点投資分野である「DX」「GX」「スタートアップ」についても書いてあります。中小事業者支援関連では以下の記載がありますが、今月末公表される大型経済対策の詳細を待つ必要があるかと思います。

  • 中小企業向けの省エネルギー設備導入の支援
  • サイバー攻撃手法の分析強化と中小企業へのセキュリティサービスの導入支援
矢埜 幸男

矢埜 幸男

これまで幅広い分野で多くの和歌山県内事業者を支援してきました。特に、各種補助金の申請サポート、プレスリリース作成サポートにおいては、事業者のお役に立てると自信を持っております!

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矢埜 幸男

矢埜 幸男

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