1)10月からの全国平均最低賃金引き上げの目安額
昨日、厚労省審議会は、10月からの最低賃金を全国平均で63円を目安に引き上げることを決定しました。これで、全国平均で時給1118円となり、前年比63円の引き上げ額は過去最大で、上げ幅は6.0%になります。昨年の上げ幅は5.0%でしたので、明らかに大幅な引上げといえます。最近の賃金上昇を考えれば予想通りとはいえ、最低賃金額ギリギリでパートさんを雇っている事業者にとってはかなりのインパクトなります!
*NHKウェブ記事:最低賃金 過去最大63円引き上げへ 全国平均1118円 全都道府県で1000円超えに | NHK | 厚生労働省
2)10月からの和歌山県の最低賃金はどうなる?(予想:1044~1048円)
全国平均の引上げ目安は63円ですが、地域の経済状況に応じて都道府県をA~Cの3ランクに分けて目安を毎年示しています。 今年度はAランク63円、Bランク63円、Cランク64円としました

和歌山県はBランクですので、今回の引上げ目安を反映すると、10月以降の和歌山県最低賃金は以下のとおりになります。(現在に最低賃金は980円)
*和歌山県10月からの最低賃金(目安)=1043円(63円UP、上昇率=6.4%)
63円UPの1043円はあくまでも厚労省審議会が決めた上げ幅の目安であり、和歌山県の地方審議会が最終的に今月決定するかと思います。個人的な予想ですが、今回の引上げ目安に数円上乗せされることは間違いないかと思います。そうすると、最終的な県内最低賃金は1044円~1048円ぐらいになりそうな気がします。
3)最賃大幅アップに伴う政府の支援策は?(補助金、助成金について)
今回の過去最大の最低賃金UPは全国の小規模事業者・中小事業者にとって多大な影響があるものと予想されます。今後も中長期のスパンでも、毎年6%以上の最低賃金上昇が見込まれるでしょう。以下、今後の最賃アップに直接関連する政府の事業者支援策になります!
①都道府県向けの新しい補助金、事業者向け交付金など(10月以降新設)
本年5月の会見で石破首相は以下のコメントを出しています。
「各都道府県において中央最低賃金審議会の目安を超える最低賃金の引上げが行われる場合への特別な対応として、政府の補助金における重点的な支援、交付金等を活用した都道府県による地域の実情に応じた賃上げ支援の十分な後押しにより、生産性向上に取り組み、最低賃金の引上げに対応していただく中小企業・小規模事業者を大胆に後押しをいたしてまいります。」
【速報】今年10月以降、最低賃金引き上げ支援の新しい補助金・交付金が創設されるようです! – YMO
つまり、10月以降に政府が各都道府県へ補助金を出して、各都道府県が事業者に対して支援策(交付金、一時金など)を実施すると思われます。考えられる支援のイメージとして、徳島県が昨年実施した支援策を紹介しておきます。徳島県は昨年に政府目安より34円アップ(トータルで10%アップ)を実施し話題を呼びました。
2024年徳島県支援策>>賃上げ支援事業 「最低賃金引き上げで 時給引き上げた中小企業などに一時金支給」
②業務改善助成金の大幅拡充!(予算増)
事業者の最低賃金アップに直接関連する(厚労省の)助成金として「業務改善助成金」があるのは皆さまご存じかと思います。今後も政府(厚労省)は予算額も増やし当助成金をどんどん拡充していくと思われます。
最低賃金大幅UP(+50円)への支援策である「業務改善助成金」の活用について! – YMO
ちなみに自治体においても、前述の徳島県は当助成金に関し、自治体独自の金額上乗せ措置、及び(助成金申請を代行する)社会保険労務士の報酬費用補助を昨年実施しています。詳しくは下URLのとおり。和歌山県でもこのような支援策が出てくれば良いのですが?